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結婚を決意させた子宮頸がん「子どもを産みたいと思った」〜田中夫妻の不妊治療〜

東京都目黒在住の田中サオリさん(仮名)は37歳。教育現場で働くとても明るい女性だ。年下の旦那さんと、2歳の長男と幸せに暮らしている。
その様子からはわからないが、実は彼女は2017年に初期のがんだと診断された。その後、病気を乗り越えて結婚、不妊治療を経験し、幸せな家庭生活の現在に至る。
そこにはどんな経緯があったのか、田中さんの口から語ってもらった。

※この記事の記載内容は個人の経験や記憶に基づいた意見であり、女性からだ情報局がその正確性を保証するものではありません。
※登場する人名はいずれも仮名です。また、年齢は取材当時のものです(2022年12月取材)。
※「子宮頸(けい)がん」の表記は、医学的には「頚」が正式な表記ですが、こちらの記事では読みやすさを優先してより一般的な「頸」を使用しています。

 

CONTENTS
  1. がんの経験が、結婚・出産に対する意識を大きく変えた
  2. 妊娠はしたけれど、2度の流産で医院を見直すことに
  3. 経験者からの紹介で、自分向きの医院を見つけられた!
  4. 生徒には「少しでも早い妊活のために、早く男選びを!」と伝えたい

がんの経験が、結婚・出産に対する意識を大きく変えた

– ご結婚される前から、不妊治療について考える機会はありましたか?

田中サオリさん(奥さん)
私は結婚が33歳と遅かったんですが、アラサーくらいになると周りの友人から不妊治療の話はちらほらと聞こえていたりしたんです。だから「いつか私もやることになるのかな」と漠然と意識したこともありました。
でも、いつも「今すぐに結婚したい!子どもを産みたい!」と焦ったことはありませんでした。そんなものですよね。

 

– 妊活を開始された年齢と、不妊治療を意識しはじめた経緯について教えてください。

田中サオリさん(奥さん)
私は、2017年、32歳のときに子宮頸(けい)がんを経験しました。それが無かったら結婚や子どもを産むことには興味が湧かなかったかもしれない。大きく意識が変わりました。

 

– 子宮頸がんは20代後半から増加する、若い世代の女性にも多いがんですよね。ワクチンで予防できることでも知られています。

田中サオリさん(奥さん)
知っている人は少ないですよね。ワクチンや検診を受けている人はまだまだ少ないと思います。

私の場合は検査でがんがわかって、厳密に言えば「高度異形成」というがんの一歩手前の状態だったんですけど、幸いにもすぐ手術することができました。

そのとき「早く子どもが産みたい!」と思ったんです。
夫とは2018年に33歳で結婚して、翌2019年の1月に挙式。その後すぐに妊活を開始しました。

3月に妊娠したのですが、4月に流産してしまって…。そこで不妊治療のクリニックに行くことにしました。

 

妊娠はしたけれど、2度の流産で医院を見直すことに

– 不妊治療のクリニックへは、最初はどのように行きましたか?

田中サオリさん(奥さん)
最初は港区にある不妊治療専門のクリニックAに行きました。自分で調べたというより、友人に有名なクリニックだと教わって、説明会に行ってみて、違和感も無かったのでそのまま通院をスタートした感じです。
4月に流産してから探し始めたので、クリニックAで不妊治療を開始したのは夏ごろかな。半年間タイミング法をやって、その後人工授精にステップアップしました。

 

– クリニックAで結果は出ましたか?

田中サオリさん(奥さん)
年が明けて2020年に、クリニックAで一度妊娠しました。でも、また流産してしまったんです。そのタイミングで、クリニックを変えようと思いました。妊娠はするけれど流産してしまうのは不育症かもしれないので、その面も含めて専門的に診てくれるクリニックがいいなと思って。
それに、その頃には色んな面でクリニックAは自分に合ってないなと思っていたんです。

 

– クリニックAはどんな点が合わないと感じていたんですか?

田中サオリさん(奥さん)
私にはクリニックAのような大手が向いていないのか、あまり居心地が良くないなと感じていました。
例えば、クリニックAは日時担当制だったので毎回先生が違っていて、正直「当たり外れがあるな」という印象でした。先生が違うと、1回1回違うことを言われるので、何を信じていいかわからなくなりますよね。友人は「同じ治療をやっているのに、周期ごとに薬まで全然違って、どんどん不信感が大きくなっていった」と言っていました。私もそこまでではないですが、同じように感じてしまって。
その他にも、コミュニケーションが無機質だなとも感じていたり、特に何も言われずに3時間以上待たされたりすることも頻繁にありました。
不妊治療はとてもデリケートな領域なので、名前でなく番号で呼ばれたりというのはコミュニケーション上の配慮なんだと思います。そういった事務的・業務的・量産型みたいな対応が好きな人もいるかもしれません。でも、その時の私は、いつ行っても6桁くらいの同じ番号で呼ばれることが、人間性を無視されているような気がしてしまって。私には向いていなかったんだと思います。

 

経験者からの紹介で、自分向きの医院を見つけられた!

– 次のクリニックはどのように探されましたか?

田中サオリさん(奥さん)
1軒目からそうですが、次のクリニックも自分で調べるというより、知り合いの不妊治療経験者の方をまた紹介してもらいました。
その方にお勧めされたClinique de l’Ange(クリニックドゥランジュ:東京都港区)の説明会に行ってみて、良かったなと思えたので通うことに決めました。
何より、私は流産したことがとても気になっていたのですが、ここを推薦してくれた知り合いは多嚢胞性卵巣症候群と前置胎盤で7-8回流産を経験して、それでもClinique de l’Angeでの不妊治療の末にお子さんを授かったとのことだったんです。そんな人が薦めるなら、ということで、今回もクチコミで選びました。

 

– Clinique de l’Ange(クリニックドゥランジュ)ではどんな治療をされましたか?

田中サオリさん(奥さん)
前に通っていたクリニックAで人工授精までやっていたので、Clinique de l’Angeでは、体外受精にステップアップすることにしました。

3ヶ月間ホルモン療法をやって、その後に採卵からスタートした感じです。
採卵は合計3回。採取できた卵子が2個→0個→1個という結果でした。

0個の周期を除いて2回移植して、妊娠することができました。この頃には2021年になっていたと思います。

– Clinique de l’Angeは小規模なクリニックかと思いますが、いかがでしたか?

田中サオリさん(奥さん)
はい、こちらはクリニックAとは真逆でしたね。私はこちらの方が向いていました。
Clinique de l’Angeは先生が1人なので、いつ行っても同じ先生が対応してくれるんです。回りくどく待たされたりせず、いきなり先生に会えるし、どんな内容でもすべて1人で対応されているからか先生は淡々としていて、先入観なく平等に接してくださっている印象を受けました。
だからと言って、クリニック側のペースでどんどん進むのではなく、こちらの都合に合わせてくれている感じがしました。呼ばれる番号も毎回違っていて、最大でも15番くらい。これだと自分が番号なんじゃなくて、その日の受付順なんだなって自己否定に走ってしまうこともありませんでした。先生だけでなく受付や培養士さんたちの対応も距離感が心地よいなと感じて、自分に合っていたんだと思います。

 

– クリニックとの相性はとても難しいポイントですが、とても合っていたようですね。

田中サオリさん(奥さん)
はい、私は1軒目のクリニックAも2軒目のClinique de l’Angeも、紹介してくれた友人を完全に信頼していたので、特に「クリニックに悩んだ」という記憶はありません。色々探したり、比べたりというのもあまりやりませんでしたね。
私がラッキーだったのは、2軒目でとても相性の良いクリニックに巡り会えたことです。
2つのクリニックが真逆だったのでその差がとてもわかりやすかったですが、どちらが良いかは人による気がします。それぞれを勧めてくれた2人にはそれぞれが合っていたんでしょうし、私は1軒目は合いませんでしたが、特別悪いとも思いません。ああいうベルトコンベア型クリニックって多いんじゃないかな。

 

生徒には「少しでも早い妊活のために、早く男選びを!」と伝えたい

30代に入ってから子宮頸がんをきっかけに結婚、そして妊活へと突入した田中さん。これから妊活や不妊治療に取り組むカップルに、そしてお仕事で接する高校生たちへどんなことを伝えたいのか、改めて振り返ってもらった。

 

– 不妊治療のトータルの期間や費用はどれくらいですか?

田中サオリさん(奥さん)
クリニックAで不妊治療を始めたのが2019年の夏ですから、不妊治療期間はトータルで1年半くらいです。

クリニックAに10ヶ月通ってタイミング法と人工授精を実施したあと、Clinique de l’Angeに移ってホルモン療法と体外受精をやりました。Clinique de l’Angeには、妊娠したあとも2021年3月末まで、妊娠13週目まで通っています。

トータルの費用は概算ですが、300万円くらいだと思います。

– 妊活を通じて、旦那さんはクリニック選びに関与されていますか?

田中サオリさん(奥さん)
いえ、夫はクリニック選びには全く関与していないです。
不妊治療は女性の方が通院も含めて圧倒的に負担が大きいし、妊娠したあと出産するのも女性。だから、クリニック選びに関しては女性の意見が優先でいいと思うんです。
不妊治療は期間が経っても結果が出ないと、メンタルがどんどん不安定になってきます。私も2軒目を選ぶときには、「産めないんだから何も言うな!」「男に決定権は無い!」くらいに思っていました。
ただ、一方で2軒目を選ぶころにコロナ禍が始まり、私の焦りがどんどん大きくなっていく中でも、夫はとても冷静に対応してくれました。本当に感謝しています。

 

– 田中さんは高校生の教育にも携わられていると思いますが、これから妊活を迎える世代の方々へメッセージをお願いします。

田中サオリさん(奥さん)
何よりもまず、妊活は若いうちじゃないとダメだというのを1人でも多くの人に知っておいて欲しいです。
私も30歳を超えてから結婚したし、妊活を始めたんですが、もっともっと早く取り組むべきだった。20代から30代って他の分野ではまだまだ加齢を意識する年齢じゃないだけに、現実味がない。でも時間だけはお金で買えないですよね。
最近は年齢的にも、私の周りで感度の高い女性たちの間で卵子凍結が話題になることもあります。

もちろん一定の効果はあるんでしょうが、高い費用もかかるし、「できれば卵子じゃなくて受精卵で保存した方がいい」とか「卵子だけじゃなくて戻す体も若い方がいい」とお医者さんに言われたことが何度もあります。
私自身も色んな情報を見ていく中で、卵子凍結が万能じゃないということを知りましたし、やっぱり自分自身が若いに越したことは無いし、投資と同じように美味しい話なんて無いんだと思うんです。
唯一の解決法は少しでも早く始めること。それってつまり将来のパートナーを探す「男選び」を早く始めておくということですよね。
「正しい知識を身につけて騙されないこと」と「少しでも早く始めること」。色んなことに通じる気がしますが、この2つは高校生にだって伝えていきたいなと思っています。
最後に、不妊治療を考えている人にメッセージがあるとしたら、「体外受精をさっさとやろう」ということかな。
私もこれだけ不妊治療をやったので、そもそもクリニックに行くことも、お金がかかる体外受精をやることも、勇気が必要なことはすごくわかります。
でも、子どもを授かるよろこびのためなら、そこはさっさと乗り越えた方がいい。そう思っています。

 

 

 

検査で早期発見できた子宮頸がんに始まり、不妊治療から度重なる流産を経て、念願のお子さんを授かった田中夫妻。ぜひ次世代に向けて、早期の妊活やプレコンセプションケアを伝えていって欲しいと思います。
田中夫妻とご家族の末永い幸福をお祈りしております。

 

 

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