人工授精は、生殖医療(不妊治療)のうち、「一般不妊治療」に分類される治療法で、カテーテル(細い管)を使って、子宮の奥側に精製・濃縮した精子を注入する不妊治療法です。
乏精子症(精子の濃度が1,500万/ml以下と少ない)、精子無力症(精子の運動率が40%以下に留まってしまっている)といった男性側の要因や、性交障害(膣内に射精ができない)、精子頸管粘液不適合(子宮頸部の分泌物の影響で、精子が子宮内に到達できない)、抗精子抗体保有症例(抗体によって精子が膣内で殺されてしまう)といった両性の要因、また原因が不明な場合の不妊症でも、タイミング法からのステップアップとして行うことがあります。
より妊娠の確率を高めるために、 超音波検査や血液検査を用いて人工授精を行う日(排卵日)を推測します。また、排卵を促すために、薬剤(排卵誘発剤)を使うこともあります。
人工授精時実施後の副作用として、出血、腹痛、感染などがあるため、実施後2-3日は抗菌薬を投与することもあります。
人工授精は、年齢や回数に関する制限があるものの、医療保険が適用されます。また、6回程度人工授精を行っても妊娠しない場合は、体外受精・顕微授精など次の不妊治療のステップに進むことが推奨されています。