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3回だけ体外受精をして、それでもダメなら諦めようと思った。〜鈴木夫妻の不妊治療【後編】〜

夫婦ともに32歳から不妊治療を開始した鈴木さん夫妻。婦人科から不妊専門外来へ、タイミング法から人工授精へ。1年半にわたって3つのクリニックを渡り歩いても結果に結びつかず、不妊の原因もわからないまま。
その後2人はどのようにして妊娠に至ったのか。不妊治療の後半に迫ります。(前編はこちら

※この記事の記載内容は個人の経験や記憶に基づいた意見であり、女性からだ情報局がその正確性を保証するものではありません。
※登場する人名はいずれも仮名です。また、年齢は取材当時のものです(2022年12月取材)。

 

遠くても…最後の“希望”に賭けた3回限定の体外受精

– 3つのクリニックで1年半やって妊娠せず、その後どうされたんですか?

鈴木マリコさん(奥さん)
人工授精までやってダメだったので、もう体外受精に進むしかないと思いました。でも、クリニックCは自分には合っていないと思っていたし、とても高かったのでそこで体外受精をすることは考えられなかった。そんなとき、友人に新宿のクリニックDを教えてもらったんです。
調べてみたら、不妊治療の老舗だということがわかって、ここに通うこと、そして体外受精にステップアップすることに決めました。
実は私にクリニックDを教えてくれた友人は、その当時は福島在住。地元で数年間の不妊治療を経てもなかなか授からず、不妊治療のためだけに東京まで通っていたんだそうです。だからこそ不妊治療について自分で調べて詳しくなっていたし、選択肢を選べる環境にある首都圏が恵まれているなとも感じました。
ちなみに彼女は東京に通ったかいもあり、クリニックCで体外受精を数回行った末にようやく子どもを授かりました。私たちはクリニックCでは妊娠できませんでしたが、ご縁や相性もあるのかもしれません。

 

– 新宿だと、お住まいの浦安からはかなり距離がありますね。

鈴木マリコさん(奥さん)
そうですね、片道で30分以上はかかります。通院の頻度や滞在時間を考えると、決して近いとは言えない距離だと思います。でも、それまでにもうたくさんの時間もお金も費やしていたし、結果が出ないことに精神的にも落ち込んでいたので、“最後の希望”みたいな感じだったかもしれません。
もちろん不妊治療に私たちより時間もお金もかけているご夫婦はたくさんいると思います。ただ、経済的・精神的・時間的にどれくらいのキャパシティがあるかは家族ごとにそれぞれ違いますよね。私たちにはもうあまり余裕がありませんでした。
クリニックDで、3回だけ体外受精をやって、それでもダメなら子どもを授かることは諦めよう。そう決めて体外受精をしました。

 

34歳で念願の妊娠…苦しかった2年間を乗り越えて

– クリニックDでは、すぐに体外受精をしたんでしょうか?

鈴木マリコさん(奥さん)
これまでの他院での通院や、人工授精までの話をして、体外受精(顕微授精)をすることになりました。
ただ、体外受精に入る前に検査をして、「橋本病(※編集部注:甲状腺系の疾患)の疑いあり」との診断を受け、表参道にある伊藤病院を紹介されて治療を受けました。結局のところ私たち夫婦の不妊の原因は特定できませんでしたが、これも効果があったのかもしれません。

 

– 体外受精はいかがでしたか?

鈴木マリコさん(奥さん)
私は初めての体外受精がクリニックDだったので、その時はあまり知りませんでしたが、クリニックDではクリニックの方針で、低刺激であまり多くの卵子を採取しないんです。私たちも移植できる状態の胚盤胞は1つだけ。凍結保存してある受精卵もありません。
でも、本当に幸いなことに1周期目の体外受精(顕微授精)で妊娠できました。34歳のときです。無事に育ってくれて生まれてきたのがこの子です。
不妊治療の期間はトータルで2年間、費やしたお金は200万円くらいです。苦しい2年間でしたが、最終的に子どもを授かることができたのは幸いだったと思います。

 

お金だけでなく、勇気も覚悟も必要だった不妊治療

ここまで、編集部からの質問のすべては奥さんが回答してくださった鈴木夫妻。
不妊治療の期間、旦那さんはどのように関わっていたのか、そしてこれから妊活や不妊治療に取り組むカップルにメッセージはあるか。改めて振り返ってもらった。

– 結果として4つのクリニックに通われていますが、クリニック選びに旦那さんは関与しましたか?

鈴木サトシさん(旦那さん)
いや、僕は全くですね。全部妻が決めました。
2年間並走はしていましたが、通院とか色んな負担は妻の方が多いし、妻が決めるべきだったと思っていました。今でもそう思います。

 

鈴木マリコさん(奥さん)
そうですね、クリニックはすべて私が決めました。

不妊治療中は誰にでも噛み付くようになってしまったので、喧嘩というか衝突もありました。
治療が始まると女性の方が圧倒的に時間やその他の負担が大きいので、働いているなら仕事との両立の問題もあります。ただ、主人の「妻が決めるべきだ」という発言は、私からすると他人事のように聞こえるんです。私の性格上、他にどんなクリニックがあってそこはどういいのか、主人にも一緒に情報収集をして欲しかったです。
でも、離婚や離職に至らずに済んだのは、周りの人の理解も大きかったと思います。
私の場合、両親、義両親の理解もあったのでそれもとても感謝しています。両親には、病院の送り迎えや付き添いもしてもらい、本当に心の支えでした。

 

– これから妊活や不妊治療に取り組む方々に、何かアドバイスはありますか?

鈴木マリコさん(奥さん)
私が不妊治療を経て子どもを産んだことを知っている人から、不妊治療について相談されることもあるんです。相談に乗っていて私が感じるのは、「始めるには覚悟が要るんだな」ということです。
今年から公的医療保険も適用されるようになったので、私たちの頃と比較すると費用負担は減ったのかもしれませんが、不妊治療にお金がかかることは誰でもうっすらとは知っていますよね。それでもタイミング法や人工授精から、体外受精にステップアップするときには勇気が要るんだと思うんです。やっぱり進むには躊躇する規模のお金がかかってきます。
それに、お金だけでなくメンタルにももちろん負担がかかります。いい結果が出るまでは悪い結果を受け入れ続けなくてはいけない訳ですから。
私たちは3回だけと決めた体外受精で幸いにも良い結果に結びつきましたが、それまでには「不妊治療をすれば、必ず妊娠できる」と思ってはいけないのだなということも学びました。
最初から期待しすぎなければ、もっと楽だったかもしれません。でも、期待してはいけないと思っていても、期待してしまう、矛盾だらけの感情を抱きながら治療を進めることは避けられないのかな、とも思います。難しいですね。

 

– 振り返ってみて、不妊治療に関して思うところはありますか?

鈴木マリコさん(奥さん)
私たちもそうですが、不妊の原因って特定できないことも多いらしいんです。
費用面ではタイミング法や人工授精からステップアップしていくこともわかりますが、とは言え体外受精に至るまでの1年半にも、多くの費用を費やしました。なので、不妊の原因がわからないなら、さっさと体外受精ができていれば、費用もメンタルも負担が少なくて済んだのかな、という思いはあります。
もちろん精子が少なかったり、子宮の異常で体外受精ができないなど、色んな原因を抱えているカップルがいるので、すべての人たちに当てはまる訳ではありませんが。
さっきも言ったように、体外受精に進むのは勇気が要ります。でも、長い期間タイミング法や人工授精を繰り返して時間とお金を浪費するなら、迷って踏み出せない状態が続くなら、早めに専門性の高いクリニックに通って予算の範囲内で体外受精にトライする。その選択肢の方が向いているカップルもきっといるんだと思います。

 

 

2年という治療期間を経て、長男のタカシくんを授かった鈴木夫妻。
上司の理解もあり、仕事との両立についてはそれほど悩まれなかったようだが、精神面・家計面での負担は決して小さくなかったようだ。それでも、インタビューからはそんな苦労を感じさせないほど、3人は仲睦まじい家族に見えた。
これからのご家族の健康と幸せをお祈りしたい。

 

 

 

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