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クリニックに行く前に②:初診時の持ち物や時間・費用など

いざ「不妊治療クリニックに受診しよう」と決めても、何から準備したらいいかわからないですよね。
不妊治療のクリニックを初めて受診する前には、準備しなければいけないことがいくつかあります。すぐには用意できないものもあるため、余裕を持って準備することが大切です。
不妊治療を受ける前に準備しておくべきことについて、広尾レディースクリニック院長の宗田聡医師にお話を聞きました。

不妊治療でクリニックを受診する際に必要な持ち物

不妊治療のクリニックに行くときは、健康保険証は必ず持っていきましょう。クリニックによって、初診時に持ってくるもの (顔写真付きの公的身分証・     住民票・戸籍謄本・基礎体温表・血液検査のデータ・受診するクリニックの問診票・紹介状)が異なりますので、クリニックのHPで確認することをお勧めします。     

 

クリニックによっては、基礎体温表を持っていくことで診察がスムーズになることがあります。詳しくは、予約時にクリニックに確認してください。

 

人気があるクリニックの場合は予約を取るのが難しく、二度目の受診までに時間が空いてしまうケースもあります。

女性は30歳を超えてから妊娠能力が少しずつ低下し始めるため、できるだけ早い段階で不妊治療を受けることが大切です。時間を無駄にしないよう、クリニックを受診する前に必要なものをすべて揃えておきましょう。

 

不妊治療をするにあたって、公的身分証や住民票などの本人確認書類が必要な理由

 

公的身分証は、不妊治療を経て生まれた子どもの親の身元を明らかにしておくために必要です。

公的身分証の一例としては、運転免許証やパスポート、顔写真付きの住民基本台帳カード、顔写真付きのマイナンバーカードなどが挙げられます。

 

公的身分証明書として認められる書類はクリニックによって異なりますので、事前に確認しておきましょう。また、旧姓の方は、現在の戸籍上の名前が掲載されている証明書を持っていくようにしてください。

 

また、住民票や戸籍謄本は、患者である女性がパートナーと婚姻関係にあるかどうかを確かめるために使用します。事実婚をはじめとして婚姻関係にないパートナーと治療を受けたい方は、クリニックの予約時にその旨を相談しておくとよいでしょう。

 

 

クリニックで不妊治療を受ける前に知っておきたいことQ&A

不妊治療を受けるまでの必要な準備期間 

早い方で1週間程度ですが、場合によっては2~3カ月かかることもあります

 ただし、クリニックによっては予約が取りにくく、予約できるのが数ヵ月先になる場合もあります。不妊治療を検討し始めたら、まずはクリニックに問い合わせてみましょう。そして受診前までに、クリニックから指定された書類を準備するようにしましょう。

 

不妊治療の初診時の料金の目安

クリニックによって異なりますが、不妊治療に必要な検査をひと通り行うと1~5万円程度かかります

不妊治療は2022年4月以降、ホルモン検査や精液検査は健康保険が適用されるようになりました。しかし、感染症検査や抗精子抗体検査などは、保険が適用されないため、クリニックによって金額が変わってきます。

 また、クレジットカードや電子マネーでの支払いができないクリニックもあるため、事前にHP等で支払方法を確認するとよいでしょう。     

 

不妊治療クリニックによって検査費や治療費に差がある理由

 クリニックごとに検査や治療の方法が異なるため、治療費に差が生じます。

 不妊治療の診療は、保険が適用されて3割負担になる『保険診療』と、自費負担の『自由診療』の大きく2つに分かれます。保険診療はどの病院でも同じ内容・料金で受けられますが、検査の種類に限りがあります。

 

そのため、保険適用内の検査や治療に限定すると、自分にとって必要な検査や治療が受けられない可能性もあります。一方で自費負担の自由診療は保険が適用されないため、高額になる傾向があるものの、規定にとらわれない自由な診療を行えます。

 

クリニックによっては、患者に合った診療を提供するために、保険診療を行わないと決めているところもあります。そのため、クリニックを選ぶ際は、各クリニックの方針を事前に確認しておくとよいでしょう。各クリニックの方針を知るには、ホームページの閲覧や電話での確認のほか、各クリニックが実施している説明会に参加する方法もあります。

 

初診日の所要時間

クリニックによって異なりますが、検査を一通り行った場合は待ち時間を含めて3~4時間かかることもあります。そのため、時間に余裕を持って行動できる日に予約を入れるとよいでしょう。

 

初診日はどのような服装で行けばよいでしょう 

とくに決まりはありませんが、内診を行うこともあるため、着脱しやすい下着、ボトムスでいくとよいでしょう。ワンピースやつなぎなどはすべて脱がなければいけなくなるため、避けたほうが無難です。

 

初診日に生理が被りそうな場合は、予約を取り直すか 

初診日に生理が被っても、基本的には問題ありません

ただし、生理中だと検査できない項目がある場合もあります。クリニックによって方針が異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

 

初診日はパートナーも一緒に来院したほうが良いか

基本的には、最初の受診はパートナーと一緒がよいでしょう。不妊治療は女性だけが原因で治療が必要なのではありません。実際には不妊の原因の半分は男性側にありますので、最初に二人で今後の検査や治療方針をしっかりと聞いておくことが大事なのです。どうしても初診日に同伴できないようであれば、診察時に次回同伴のスケジュールなどを確認してください。

 

不妊治療を受けるには、準備が必要です。パートナーの方とよく相談し、協力をして臨むことが大切ですね。

次の記事では「クリニックに行く前に振り返る”自分の体調”」についてご紹介します。

 

監修者

宗田 聡(そうだ さとし)

広尾レディース院長
茨城県立医療大学客員教授
医学博士・産業医
産婦人科専門医・臨床遺伝専門医

筑波大学卒業、1997年より筑波大学講師。 1999年 米国ボストンのNew England Medical Center(NEMC)留学 2005年 水戸済生会総合病院産婦人科部長・茨城県周産期センター長と筑波大学産婦人科臨床准教授を兼任 2012年 女性の健康をトータルにケアするクリニック「広尾レディース」を開院、現在に至る。 東京慈恵会医科大学産婦人科講座非常勤講師、筑波大学大学院や首都大学の非常勤講師等。 日本周産期メンタルヘルス学会評議員、東京産科婦人科学会評議員、産科医療補償制度原因分析委員会委員など。

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